――カサッ

サッと開けて、中に入っていた……人型の紙を取り出す。


さぁ……あたしから、今度は地獄行きを宣告するよ。



「杏樹? なにして……」


人型をした紙の頭部だけが、真っ黒になってるのを見て、橘の表情が凍った。


あたしの言ったこと、少しは信じる気になった?


「あたしの大事な……閻魔大王に呪詛なんてかけて……ただじゃ済まさない。陸の苦しみ、アンタが背負いな!」


陸のことだけじゃない。


会長たちも、柚莉たちも体と心を傷つけられた。

そして、繭ちゃんにまで。


手を出したんだ。


相応の代償……負ってもらうから。



人型の紙をあたしの霊力で、手の平の上に浮かす。


「我が名は神崎。安倍晴明の血を引くものなり」


紙を……まっ黒な炎で包み込んだ。


これは、陸に対しての呪詛を炎にしたもの。


これを、橘に返す。





「あ、杏樹!?」


引きつった表情のヤツは、恐怖で醜く歪んでいた。






「滝本陸が受けし、この呪詛を……術者へ還す。ただし、すぐに閻魔へとは渡さん。この者には、生きている間にも地獄を、死んでからも地獄を味あわせるなり―――!」





――ドンッーーーー……!