「縛っ――――!」
右手だけで組んだ印で、ヤツに縛魔術をかけた。
「何だこれっ!?」
ガッシリと先ほどまでのあたしのように、一歩も動けなくさせられた橘。
フフッ。
今までのお返ししてあげる。
散々……いいようにされたんだからね。
「言ったでしょう? 本物の……陰陽師の術、見せてあげるって」
「はァ? 杏樹にそんなことっ……!」
不可能だと言わんばかりの表情をされた。
じゃあ、教えてあげようっと。
「なら、どうして……陸への呪詛、なんで成功しないと思う?」
「そんなこと知らねえよ!」
体は一歩も動かないのに、威勢だけは良いんだ。
キッと睨みつけられ……あたしの怒りが増大する。
睨みたいのは……こっちだよ!
縛魔術の力を強め、繭ちゃんの方を向いた。
「ごめんね、それ、持って来てくれる?」
彼女が両手に持っている荷物を指差す。
「はーい」
繭ちゃんが元気よく返事をして、あたしの元へとやって来た。
よかった。
元気だったんだね。
トイレで倒れているのを見た以来だったから、ホッとする。
「ありがとう」
ニッコリ笑って、風呂敷包みを受け取った。


