そこで重用されたのは、あたしたち陰陽師。

どうしてかわかる?



陰陽師はね、呪詛を相手にかけても……。

自分に跳ね返ってこない術(すべ)を知っていたから。


自分の身を護る方法を得ていたの。



だから、何人ものの呪詛の依頼を引き受けることができた。



陰陽師のかけた呪詛が、他の陰陽師によって、跳ね返され……かつ、その陰陽師が、跳ね返した陰陽師よりも能力が劣っていたら、死ぬけどね。





橘が今ピンピンしているのは、陸の呪詛がまともに当たっていないから。


撫で物で、呪詛を人型の紙に移したからね。


陸本人には、ほとんど向けられてない。


本来なら……陸が弱ると、橘も弱っていく。


陸が死ぬと、橘も死ぬんだよ?








だけど。




絶対に、あたしは……陸に呪詛を受けさせたままにしない。



あたしの閻魔大王に、手を出したんだ。



けして許さない。