杏の態度。

言葉遣い。

意味不明の言葉。




そう……アイツは、自分の居場所を俺に知らせたんだ。




―≪陸助けて?≫


その言葉が、頭の中でリピートする。



――グシャグシャッ!


「ちがう」


ペンで×をつけながら、脳をフル回転させた。



ストーカー野郎……。

お前、高校時代の全国模試、第1位と2位の俺らをなめんなよ。






そして、3分後。

――シャッ

浮かび上がった答えに、大きく丸を付けた。


「杏のいる場所がわかった」


あとは……。


チラシから顔を上げ、じいちゃんたちの方を見る。



「神崎家のお力を、貸していただけますか?」


そう言って、願い出た。


もうすぐ、杏を取り返せる。

だから、それまで待ってろ。


「「もちろんだ」」


頷いたじいちゃんたちが、腰をソファーが上げた。