「通話の発信場所は?」



刑事の声がリビングに響いた。



「特定できません!」



悔しげな声が聞こえる。








ケータイを持ったまま、茫然とした。





急に怒りだした杏。



いつもなら、絶対に言わねーような言葉遣いで。





刑事が、俺と杏の通話を録音していたのか……。




リビングに音声が流れる。