地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

その後は、もう慌しかった。

次々と、神崎家に刑事がやってきて……電話に逆探知機や様々な機器を取り付けていき。



あっという間に、リビングが最新機器でいっぱいになった。


それからは、ストーカーからの連絡待ち。



刑事が来てから、もう3時間経っていた。



リビングの端の壁に寄りかかり、刑事たちを眺める。


「滝本くん、少し休みなさい。体ツライでしょう」


お袋さんから背中を押され、リビングを出て、2階の杏の部屋へと行くように促された。


「いや、俺は……大丈夫なんで」


彼女に向かって、断るが。


「ウソおっしゃい。杏樹がいないから……呪詛の影響が出始めているんじゃないの?」


うっ……。


図星をつかれて、言葉に詰まった。



実は、少しだけ。


体が妙に気怠くなって来ていた。



これも、杏が傍にいないからということで来たモノらしい。



日ごろ、アイツがいたことで、あんなに元気に過ごせていたんだということを痛感する。



呪詛を移した本人がいなければ、かけられた本人を呪詛から護る防波堤がなくなってしまう。




だから、こうなるんだと。


杏のじいちゃんが、昨日言っていたから……覚悟はしていたが。