この倉庫には時計がないから、時間が把握できない。


でも、この場所の窓から入って来る太陽の日差しで、昼だということはわかる。


今日は……何月何日?


橘が言うには、あたしは長く眠らされていたようで。


ここに連れてこられて、何日経っているのかもわからない。


「ぬう~~……」


相変わらず塞がれた口で、陸の名前を呼んだ。


声は口の中にくぐもっており、ちゃんとしたものにはならない。




目を覚ました時から、片っ端から術を試しているというのに。


一切、使えない。


せめて、この鎖だけでも切れてくれたら。


片手だけでも自由になれたら、印を組めるのにっ。



どうやって、ここを抜け出そう?


それしか、あたしの頭にはない。



途中、眠たくなることだってあるけど……寝たら、このバカ橘になにされるかわからないし。



バカ橘は、あたしから少し離れた場所にパイプイスにおいて座っている。