「杏樹? やっと俺の元に来たね。もう君は、俺のモノだよ?」


ニッコリと笑って、一歩一歩杏樹に近づく男。


「~~~!?」

「ん? 何を言っているのかわからないなぁ~」


杏樹は、男の名前を叫ぶが、言葉にはならない。


ケラケラと笑う男は、すぐに、彼女の目の前まで来た。





――カシャン……


杏樹が手を動かそうとしたが、鎖を巻きつけられており。


その鎖は……部屋の隅まで続いていて。


体の自由が、この男に奪われているのだった。




「大人しくしなよ、杏樹。もう滝本のところへは……帰りたくても帰れないよ?」




気味の悪い笑みを浮かべた男が言った……。




**************