だけど。


「ま、繭ちゃん!?」


ハッとして、彼女の傍に駆け寄る。


「どうしたの!? 転んだの!?」


繭ちゃんの体を揺らして、意識があるかどうか見たけど、動かない。

どうしてこんなことに!?

ちょっとパニックになって、ひとまず彼女を連れて外に出ようと後ろを振り向いた瞬間。









――バチバチバチッ!







あたしの体に電気が走った。






え……?

急に体に力が入らなくなり、床へと向かっていく。


――バタンッ……

繭ちゃんの横にあたしも倒れこんだ。


わけがわからなくて、何も考えられなくて。

だけど……意識が遠のいていく。

わずかに目を開けて……あたしの前に立つ人を見た。


誰……?

まっ黒なシルエットで、男の人みたいに見える。


そして……。





「君が、俺のモノにならないから悪いんだ……」




その言葉を最後に、あたしは意識を手放したーーーーー。