「なんで? なんで陸が?」
昨日、大学で会った時は、元気そうだったよ?
金曜日とか、会長の病室で笑い合っていたのに。
どうして、こんなことになってるの?
餓鬼が群がるなんて……死期が近いのも同じだ。
それに……陸のまわりには、黒い靄が見える。
「呪詛を……かけられている?」
以前、高1の時。
柚莉に、妖怪から強力な呪詛をかけられた。
その時の光景に似てる。
すると。
「ケケケッ……今晩はコイツか。さっそく皆でいただくことにしよう……」
餓鬼の一匹が、陸の寝ているベッドによじ登ろうとする。
けど―――。
――バチッ!
その餓鬼は、弾き飛ばされた。
あたしが作った……守護の呪の結界によって―――。
陸は、ネックレスはしているみたい。
餓鬼たちは、ある距離からは彼に近づけない。
この部屋の瘴気ごと、餓鬼たちを一掃しなきゃ。
陸の体がツライ。
さっと両手で印を組み、呪文を唱える。
「東海の神、名は阿明。西海の神、名は祝良。南海の神、名は巨乗。北海の神、名は偶強。百鬼を退け、凶災を蕩え」
普段は一切使わない霊力が、あたしの体からほとばしり、餓鬼たちの体を拘束した。
「滅!」
「「「「「ギャアアアアア――――!」」」」」
鋭く言い放つと、餓鬼たちは全身炎に焼かれ、灰となって消える。
「この気を浄化したまえ!」
部屋中にある禍々しい空気を排除して、あたしの霊力で満たした。
これで、さっきよりはマシになる。


