地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー



「なんで? なんで陸が?」


昨日、大学で会った時は、元気そうだったよ?

金曜日とか、会長の病室で笑い合っていたのに。

どうして、こんなことになってるの?


餓鬼が群がるなんて……死期が近いのも同じだ。

それに……陸のまわりには、黒い靄が見える。


「呪詛を……かけられている?」


以前、高1の時。

柚莉に、妖怪から強力な呪詛をかけられた。

その時の光景に似てる。



すると。


「ケケケッ……今晩はコイツか。さっそく皆でいただくことにしよう……」


餓鬼の一匹が、陸の寝ているベッドによじ登ろうとする。

けど―――。



――バチッ!

その餓鬼は、弾き飛ばされた。

あたしが作った……守護の呪の結界によって―――。


陸は、ネックレスはしているみたい。

餓鬼たちは、ある距離からは彼に近づけない。



この部屋の瘴気ごと、餓鬼たちを一掃しなきゃ。

陸の体がツライ。


さっと両手で印を組み、呪文を唱える。


「東海の神、名は阿明。西海の神、名は祝良。南海の神、名は巨乗。北海の神、名は偶強。百鬼を退け、凶災を蕩え」


普段は一切使わない霊力が、あたしの体からほとばしり、餓鬼たちの体を拘束した。


「滅!」

「「「「「ギャアアアアア――――!」」」」」


鋭く言い放つと、餓鬼たちは全身炎に焼かれ、灰となって消える。


「この気を浄化したまえ!」


部屋中にある禍々しい空気を排除して、あたしの霊力で満たした。


これで、さっきよりはマシになる。