「どうしたの?」
「大丈夫だ。ちょっと頭痛がしただけで……」
一瞬、顔をしかめたんだけど、次に見た時は、もう何ともなさそうだった。
「治ったの? 痛くない?」
「あぁ……」
「我慢してない? 平気?」
「大丈夫だ」
フッと優しく笑う陸に、一息つく。
「たまーにあんだよ、こんなこと。大方、睡眠不足とかだろ」
え、それダメじゃない。
睡眠は、しっかりとらなきゃ!!
「じゃあ、少しでも寝てよ! 体休めなきゃ!!」
のんびりとしたヤツの腕を引っ張り、べッドの方へ行かせようとした。
「大丈夫だって」
そう言って、平気な顔をして笑う陸。
「心配だよ……また、前のように過労で倒れたら……イヤだもん」
ジーッと、ヤツを見つめたまま、そう返した。
休めるうちに、休んでほしいんだけど……。
そう考えていたら。
――ギュ
陸の腕が、あたしの腰にまわされ、そのまま引き寄せられる。
え?
なに?
「あのさ……疲れてんのは確かだし、睡眠が足りないのも事実」
あたしを抱きしめたまま、続けた。
「でも、ただ寝るより、疲れを取る方法……あるんだけど」
そこまで言うと、あたしの顔を覗きこむ。
なになに? ベッドで寝るより、元気になるの?
どんな方法?
意味がわからなくて、首を横に傾げた。


