京都は、昔から妖怪が棲むにはうってつけの場所で。
守護をする陰陽師がいなければ、西日本は妖怪で溢れてしまう。
神崎家の中で、若く、守護に長けていたのは、翠―――。
私たちの子供だった。
おじいちゃんは、翠に、京都守護の任務を命令し、赴かせることにする。
だけど、翠が行った時には、もう妖怪があふれ出すギリギリ一歩手前で。
もっと守護の力が必要だった。
翠から応援要請を受けて、おじいちゃんは考える。
力が、ずば向けていたのは、孫の杏樹。
だけど、こんな小さい子を、親から引き離して、京都に置くなんて……酷すぎた。
だから、私が名乗り出たの。
「私が、翠の手伝いをするわ」
それを言った時の、おじいちゃんの顔。
今でも忘れられない。
悔しさと、悲しさで溢れてた。
なんだかね、私と離れることが辛かったみたいで。
なかなか決断してくれなかった。
「……すまない。こっちから会いに行くから」
うす暗く、電気もつけない自室で、私の両手を握りながら、おじいちゃんは言ったのよ。
守護をする陰陽師がいなければ、西日本は妖怪で溢れてしまう。
神崎家の中で、若く、守護に長けていたのは、翠―――。
私たちの子供だった。
おじいちゃんは、翠に、京都守護の任務を命令し、赴かせることにする。
だけど、翠が行った時には、もう妖怪があふれ出すギリギリ一歩手前で。
もっと守護の力が必要だった。
翠から応援要請を受けて、おじいちゃんは考える。
力が、ずば向けていたのは、孫の杏樹。
だけど、こんな小さい子を、親から引き離して、京都に置くなんて……酷すぎた。
だから、私が名乗り出たの。
「私が、翠の手伝いをするわ」
それを言った時の、おじいちゃんの顔。
今でも忘れられない。
悔しさと、悲しさで溢れてた。
なんだかね、私と離れることが辛かったみたいで。
なかなか決断してくれなかった。
「……すまない。こっちから会いに行くから」
うす暗く、電気もつけない自室で、私の両手を握りながら、おじいちゃんは言ったのよ。


