地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー



「あたしに対して過保護で、見た目の割には子供っぽいし、すぐ怒って拗ねて、ワガママ言うけど……」


一拍置いて、続ける。


「あの人の隣なら、あたしは……フツーの女の子でいられるんだ」


握っていた羽根のネックレス見て、ちょっと頬を緩めた。



家のこと、仕事、全部取っ払って。


ただの神崎杏樹という、ひとりの女の子になれるの。



陸に会いたいなぁ……。


遠く離れた地にいるヤツを思い出して、今すぐ顔を見たくなった。


思いっきり抱きしめてほしくなった。



帰ったら、してもらおっと!





そんなことを考えていたら。




「……よかったわ。杏樹ちゃんには、そんな人が現れて……」


ポツリとばあちゃんが呟く。


そして、あたしの方を見た。



「あなたは、昔から心配だったの。誰よりも強い力で生まれてきたから……」


そう言って、あたしの頭を撫でてくれる。



「ばあちゃん……?」



フフッと笑うばあちゃんを、見つめた。







すると、遠くを見つめながら、昔話をしてくれる。