「触るだけでわかったわ。他の物より、桁違いの呪がかけられているんだもの」
そう言って、ニッコリと笑うばあちゃんには、お見通しのようで。
「うん、そうだよ」
あたしも、微笑み返す。
さすが、じいちゃんをもしのぐ霊力の持ち主だね。
叔父さん達でもわからないように呪をかけていたのに、一発で見破られた。
この羽根の……陸のネックレスには、元から守護の呪をかけてあった。
だから、この前の番組の収録時に起きた事件で。
陸を囮にして、山姥たちに襲わせたけど、絶対に手を出せなかったんだ。
「おじいちゃんから聞いてはいたけど、もう付き合って長いの?」
ばあちゃんは、陸とのことを聞いてくる。
「うん。高1からだから、もうすぐ3年かな」
羽根のネックレスを握りながら返した。
「どんな人?」
ばあちゃんは、月を見たまま問いかける。
どんな人?
いや、『変態閻魔大王様です』って言えないですよ。
う~ん……。
「優しいかな。仕事に対して、理解してくれているし」
「うん」
ばあちゃんが頷いた。
「あたしの意見は、尊重してくれるんだ。やりたいことを止められたことはないしね」
「まぁ……」
そして嬉しそうな顔をする。
「でも。ムチャなことしたら、じいちゃんより怒られるけどね……」
「えっ……」
最後は驚いた顔。
ばあちゃんの表情は、クルクルとよく動いた。


