地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー



「触るだけでわかったわ。他の物より、桁違いの呪がかけられているんだもの」


そう言って、ニッコリと笑うばあちゃんには、お見通しのようで。


「うん、そうだよ」


あたしも、微笑み返す。


さすが、じいちゃんをもしのぐ霊力の持ち主だね。

叔父さん達でもわからないように呪をかけていたのに、一発で見破られた。


この羽根の……陸のネックレスには、元から守護の呪をかけてあった。

だから、この前の番組の収録時に起きた事件で。

陸を囮にして、山姥たちに襲わせたけど、絶対に手を出せなかったんだ。



「おじいちゃんから聞いてはいたけど、もう付き合って長いの?」


ばあちゃんは、陸とのことを聞いてくる。


「うん。高1からだから、もうすぐ3年かな」


羽根のネックレスを握りながら返した。


「どんな人?」


ばあちゃんは、月を見たまま問いかける。


どんな人?

いや、『変態閻魔大王様です』って言えないですよ。

う~ん……。


「優しいかな。仕事に対して、理解してくれているし」

「うん」


ばあちゃんが頷いた。


「あたしの意見は、尊重してくれるんだ。やりたいことを止められたことはないしね」

「まぁ……」


そして嬉しそうな顔をする。


「でも。ムチャなことしたら、じいちゃんより怒られるけどね……」

「えっ……」


最後は驚いた顔。


ばあちゃんの表情は、クルクルとよく動いた。