地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

縁側の右を振り向くと、あたしと同じく浴衣姿のばあちゃんが、立っている。


「ばあちゃん!」


立ち上がって、駆け寄ろうとしたけど、止められた。


代わりに、ばあちゃんが、あたしと同じように縁側に腰を下ろす。


結い上げた髪に、キレイな顔立ち、シワは少しだけあって……。

若い頃は、もっと美人だったんだろうなぁ~って思う。


今でも十分キレイな人だと思うけどね。


隣に座るばあちゃんを眺めていたら。


「はい、約束のモノよ」


浴衣の袖口から、巾着袋を出して、目の前に差し出された。


それは、あたしが池に漬けたアクセたちを入れてたもの。


「ありがとう!」


笑顔で受けとって、袋を開ける。


膝の上に広げたアクセたちは、もう5日前の、ただの装飾品ではなかった。


アクセのひとつひとつに、霊力が宿っている。


それは、手に持つだけでわかった。


これなら、守護の呪と言える!



「ばあちゃん、ありがとう……」


今回の霊力の協力者である、ばあちゃんに、もう一度お礼を言った。



出来上がったアクセたちを見ていたら、ばあちゃんが話しかけてくる。



「その中にある……羽根のネックレス。それを持つ人が、杏樹ちゃんの1番大切な人でしょう?」


「え?」


視線をアクセから隣に移した。