「杏樹ちゃん、終わったのよ?」








ばあちゃんのその声を聞いた瞬間。



――ドサッ……



全身の力が抜けて、その場に仰向けで転がる。



体中汗びっしょりで、着ていた着物が肌に張り付いていた。


閉じていた目を開けると、柔らかく笑うばあちゃんの顔が見える。





「お疲れ様。翠が、よく頑張ったですって」




そう言って、祈祷の成功を知らせてくれた。


よかった……。

守護の呪……できたんだ……。



「ありがと……」


一言、カラカラになった喉から声を振りしぼり、お礼を言う。


「さぁ、もう休みなさい。あとは、ばあちゃんがやってあげるから」


優しく頭を撫でられて、再び目を閉じる。





「本当に……大きくなったのね……」



ばあちゃんのそんな声を聞きながら、あたしは力尽きて……意識を手放した。