深夜の時間帯に自宅を抜け出して、少し離れた神社で行う。


呪詛中は誰にも見つかってはいけないというのが原則だが、深夜に神社を訪れる者もおらず。


ことは簡単に進んだ。



「これで、あと6日。楽勝楽勝!」


お気楽に、神社近くに停めていた車に乗り、服を着替え、自宅へと戻る。




















だが、この男は……。



きちんと理解していなかった。









常人がかける呪詛は、かける者とかけられた者、どちらをも地獄に追いやるモノであることを。








呪詛は、陰陽師、祈祷師などが扱うものでもあるが。



彼らは、呪詛を発動させても、自分には跳ね返ってこない方法を知っている。






その男は、これらのことを知らずに、呪詛をかけ始めてしまった。



自分の命と引き換えに、相手を黄泉の国へ落とすということを、知らずに――――。



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