地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

俺の向かい側に座る、お袋さんを見ると……杏と容姿はそっくりだ。

将来……こんな女性になるのかと思った。


「何か、顔についてる?」

「え?」

「ジッと見てたでしょ?」


突然話しかけられて、ドキッとする。

それも、見てたの気づかれてたし……。


「いや、似てるなって……」


ポリポリと頭を掻きながら答えた。


なんか、彼女の母親にこんなこと話すって恥ずかしい。


「あらそう? 杏樹は、おばあちゃん似なんだけどな」

「おばあちゃん?」

「えぇ。渉のお母さんよ」

「でも、容姿は……」


神崎樹里副社長に、そっくりだよな。


顔立ちも、長い黒髪も。



「私にも似てるんだけど……それ以上に、容姿と性格や力については、おばあちゃんにそっくりよ。渉は、私にそっくりだと言うんだけど、おばあちゃんを見たら一目瞭然」



「え……」



驚きだった。


杏は、てっきり母親似だと思っていたから……。

つーことは。



「この天然で、鈍感で、無自覚無防備娘にそっくりな方が、神崎家にはもうひとりいらっしゃると?」



「その通り」


コックンと、大きくお袋さんが頷いた。