地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

午後10時過ぎ―――。

バイトを終えて、家路を急ぐ。


夕飯は、軽く休憩時間に摂ったんだけど……疲れたなぁ。

今夜はお風呂入って、もう寝よう。


――コツコツ……


サンダルの音が地面に響く中、そんなことを考えた。


そして、何事もなく。


「ただいま~」


自宅に着いた。


その瞬間。

――ピョコピョコ


「あーちゃん、お帰りなさいっ!」


眠たかっただろうに、待っていてくれたらしい繭ちゃんが、玄関にいるあたしのところまで駆け寄ってくる。


「ただいま、ごめんね遅くて」


彼女を抱っこして、リビングに向かった。


「今日はね、とんかつだったんだよ!」

「おいしかった?」

「うん」


1日中家にいた彼女の話を聞きながら、リビングの扉を開ける。


「おかえり杏樹」


ソファーでお茶を飲んでいたお母さんが微笑んで、出迎えてくれた。


「ただいま」


そう答えて、自分の荷物を近くのソファーに置き、繭ちゃんを床に下ろした。


洗面台で手をさっと洗い、リビングに戻る。


「ご飯は?」

「食べたよ」

「そう」


お母さんとそんな会話をしながら、ソファーの前に置かれているテーブルに視線を移した。