そう思って、ジッとベッドで待っていたら……。


「起きたのか?」


たった今探しに行こうと考えていた陸が、やってくる。


「うん」

「気分は?」


陸はそう聞きつつ、あたしの隣に腰を下ろした。

――ギシッ

ベッドがきしむ。


「うん、だいぶラクだよ」


そう返すと、頭を撫でてくれた。

やっぱり、こう撫で撫でされるのって落ち着くや。


「ね、ここどこ?」


キョロキョロと部屋を見渡しながら訪ねる。


「ん? あぁ……TV局近くの滝本系列のホテル。お前がぶっ倒れたから、急きょここで休ませたんだよ」


あ、やっぱりホテルだったんだ。それに、あのTV局から近いのか……。


「ごめんね、迷惑かけて」


陸の服を握って、うつむきながら告げた。

部屋を取ってもらうなんて、迷惑かけ過ぎだよ。

倒れたのは、自分の過失なのに……あたしダメだなぁ。

陸に甘えてばっかりで、情けない。

そう考えていた時。

――ポスッ


「え!」


突然、ヤツの胸に頭を引き寄せられる。

な、なにするの?

目の前には、首から下げられた陸のネックレスがあった。

ヤツの行動が理解できなくて、パチパチと瞬きを繰り返す。


すると。


「なんで全員のケガを治すなんてムチャをした?」


そうあたしの頭の上から問い掛けてきた。


「へ……」

「なんでだ?」

「そ、それは……」


だって、聞こえちゃったんだ。