すると。


「で、お前は何者なんだよ」


Junkieメンバーのひとり、赤髪で両耳にピアスをつけている雷って人が、あたしの素性について問う。


あたしの家業について説明か……正直、めんどくさいなあ。

でも、思いっきり術使ってるとこ見られちゃったし、仕方ない。


「あたしの家は、妖怪退治屋の陰陽師なんです」


仕事用の黒い手甲を外しながら返した。



「「「「「「「は?」」」」」」」



その雷って人だけじゃなく、アイドルたち全員が口をそろえて聞き返す。


そうだよね、見鬼のない人には、まず妖怪の存在から信じられないだろうし……。


でもって、陰陽師なんて小説やドラマの世界と考えていても仕方ない。


現実世界に実在することを理解することから難しいだろうなぁ……。


そんなことを考えつつも、説明はする。


「平安時代の安倍晴明ってわかります?」

「あぁ……」


雷って人が頷くのを見て続けた。


「うちの家系は、その人の血を引いているんです。さっきのような妖怪が出れば、調伏するのが仕事で」



首をクルクルと回す。