すべての山姥の調伏が終わって、5分後―――。


「うぅっ……」


ケガを負わされて、気を失っていたblossomのメンバー全員が目を覚ます。


目を開けると、周りのみんなが彼女たちの顔を覗き込んでいたので、


「「「「「「きゃあ!?」」」」」」


と、軽く悲鳴を上げた。


「え? あたし、なんで寝てて……」


Blossomのちーちゃんが、キョロキョロと辺りを見渡す。

そんな彼女を見て、少し微笑むと尋ねた。


「ちょっとお尋ねしますが、最近、どこかの山に行かれました?」

「え?」


キョトンとしたちーちゃんは、仲間の女の子たちと顔を見合わせて、答えてくれる。


「先週、番組の収録のために行きました」

「えっと、山小屋とかに入りました?」

「あぁ、はい。休憩用に用意したとスタッフさんに言われて……」


やっぱりか。


「杏樹、山小屋と山姥が関係あんのか?」


会話に入って来るように、会長が問いかけてきた。


「山姥はですね、主に山小屋に棲んでいるんですよ。そこに入ったなら、縄張りを荒らされたと言って襲ってくることが多いんです」


山姥の習慣を会長に説明する。


そこにちーちゃんたちが入ったから、奴らは街に降りてきたんだ。

彼女たちを襲おうと考えて。


まぁ、その計画の失敗に終わったけどね。


「あのっ……それで、さっきの騒ぎは……」


状況を把握していないblossomメンバーに今まであっていたことを簡単に説明した。