「うん、かもね」


彼女たちの様子を見ながら、周囲を見る。


「かもねって~!! 大丈夫なの!?」


こんなことを経験したことのない零ちゃんは、早くも涙目。


「神崎さん……」


彼女の隣に居る西国くんも、不安な表情だ。



「みんなには指一本ケガさせないから、大丈夫」


これ以上怖いと思わないように、ニッコリと笑みを浮かべた。





すると。


――ビュッ!!


ものすごい突風が、スタジオ内を襲う。


「ちょっ!?」


思わず目元を腕で覆った。


これは、あたしだけじゃなく、周りにいたみんなも。

突風は、まるで台風みたい。


その中で聞こえた声。


「なんだこれっ……いたっ!」


誰かがケガをしたというようだった。






風が止み、目を開けるとそこは……血の海だった。