「杏樹、どこ行ってたのよ」


零ちゃんから指摘されるけど、笑ってごまかした。

そうだ、陸や柚莉、会長はともかく。

零ちゃんや西国くんの前で、あたしは術を使ったことがないよね。

う~ん、そう考えたら会長も微妙になるなぁ。


引かれたりしないだろうか……。


確か、素性を話した時にちょっとだけ式を動かして見せたらしいけど。

今回暴れるとなったら、そんなの比じゃないし。

それから……怪我する率も高くなる。

どうか、全員が避難してから、奴らが暴れますように!!



そう願った瞬間。



「「「キャアアアア!!」」」


大きな悲鳴があたしの耳を貫いた。


どうやら、願いは叶わなかったらしくて。


あたし達から少し離れたところで避難までの待機をしていたblossomのメンバーが、全員倒れていた。


悲鳴を上げたのは、タレントチームの女性。



「おいっ! どうしたんだ!?」


近くにいたjunkieのメンバーたちが彼女たちに駆け寄って体を揺さぶる。


彼らの声にも反応しないblossomのメンバー。


なんで倒れたんだろう?

単に、恐怖で気を失っただけ?


彼女たちの様子を見て考える。


「あ、杏樹~! これってヤバくない!?」


零ちゃんが西国くんにくっついたまま言った。