地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

ーー杏樹sideーー

化粧もしなくていい。

服は陸が決めたもの。

おめかしした繭ちゃんも連れて。

どこに行くのかも教えてもらえず、ただ陸についてきた。


「……ナニココ」


目の前にあるのは、大きくて、キレイな建物。

あちこちにこの建物の関係者とかがいて……。

首からは、“TVスタッフ”と書かれたネームプレートを下げている。


怒り、呆れ、怖さ、嫌悪……。

色んな思いが込み上げてくる。


陸は、あたしがここに来たいなんて微塵も思ってなかったことを知っているはず。


「行くぞ」

ーーグイッ!!

「イヤッ!」


陸に手を引かれたが、地に足を食い込ませるようにしてこの場から動かないようにした。


こんなところになんて、入りたくもない。

高3の時のクイズ大会でさえ、イヤイヤで参加したのに!!


「陸っ……絶対にイヤ!」


ギロッと睨みつける。


すると。


「ハァ……わかってはいたが、ここまで酷いか」


あたしの手を引く陸の力が弱まった。


「え?」


あっさりと諦めたというような表情になったため、あたしの方が拍子抜けしてポカンと口を開ける。

しかし、ここで油断したのが悪かった。

その次の瞬間。

ーーヒョイッ

「ギャーー!?」


あたしは、悪魔の陸によって、米俵のように、肩に担がれたのです。