本当に、大切なモノはたくさんある。

ネックレス、リング、ぬいぐるみ。

だけど。

それは、陸にいてくれるから、大切に思えるわけで……。


やっぱり……1番のタカラモノは、陸本人だよね。


「フ〜ン……そっか」

あれあれ?

ヤツは、素っ気ない返事をしてみせたのかもしれないけど……。


陸さん……顔がにやけてるよ?


「そんなに嬉しかった?」って、聞こうとした瞬間───。


──ポスッ……


「きゃ……!?」

陸の腕の中に引き寄せられた。


「どしたの……?」

「別に?」


そっけなく言ったつもりかも知れないけど……抱き寄せる手が優しいから、いいことにする。


その晩は、陸にくっついたまま、眠った。