地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

――杏樹Side――


触れた唇は、すぐに離すつもりだったのに……。


“「逃げれるなんて思うなよ?」”


陸に耳元で、そう囁かれて……後頭部を掴まれ、息をつくのも許さないというくらいのキスをされる。



「待っ……りっ……」

「ムリ」

「もっ……」

「なに?もっとしてほしいって?」


ちっが〜う!!

──ドンドンッ!

否定の念を込めて、ニヤリと笑う陸の硬い胸板を叩いた。


だけど、ヤツは変態悪魔のスイッチが『ON』になってしまったらしく。

いや、いつも『ON』だけどね?


「……ひゃあ……ッ!」

「このままヤろっか?」


いつの間にか、あたしが着ていた服にまで手をかけていた。