地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー


「あ、杏……?」

「ん?なぁに?」


マイペースな声で返事をして、ぴったりと抱き着かれる。

まるで、俺をぬいぐるみのように。


……コイツ、どうしたんだ?


「閻魔大王がよかったんじゃねーの?」

さっきまでは、ぬいぐるみを一切離さなかったのに……急に抱き着くなんて。


「へっ?だって、ぬいぐるみの閻魔大王は……陸の代わりだもん」


俺の代わり……?

どういうことだ……?


理解ができなくて、首を傾げる。

それを見た杏が、続きを話し出した。


「だからね?あたしにとっては、本物の陸がいない時は、ぬいぐるみの閻魔大王が陸だと思うんだよ。でも、あと2日はずっと隣にいてくれるし。ぬいぐるみに抱き着くんじゃなくて、本物に抱き着こうって思ったの!」


“わかった?”

小首を傾げてそう言うと、またギューっと抱き着かれた。