ゆっくりとショップの中をまわる。

ブレスレット、ネックレス、アンクレット、ピアス、リング……。

様々なアクセサリーが売られているけど、あたしが今身につけているモノと同じモノはない。


「オーダーだから当たり前か……」

陸がデザインして、作ってもらったんだから売ってあるわけない。

自分の右手小指にはめられたピンキーリングを見つめた。

赤いオパールが、静かに主張している。

やっぱりカワイイよね。

フフッと口元が緩んだ。



……あ、バカッ。なに悪魔のことを考えているの!

あたしは、ヤツに怒っているんだから!!

う゛〜〜……。


「……早く謝りに来てよ」


そうポツリと呟いた瞬間───。


「ねぇ、ひとりで買い物?」

「え……」


隣から、男の子の声で話し掛けられた。