同じように抱きしめ返されて、嬉しくなる。

……えへへ。


だけど、顔にも出ていたようで。

「そんなに俺に会えて嬉しいんだ?」

「……ッッ……!」

グイッと顎を掴まれて、上を向かせられた。

……くぅっ……調子に乗らせちゃった。


でも……うん。会えて嬉しいのは本当だから。


「うん、そうだよ」

ニコッと笑って、また抱き着いた。

「……チワワだ」

「へ?」

「なんでもねーよ」

ボソッと呟いた陸に、再度聞いてみたけど……口を塞がれて聞けない。


「親父さんたちは?」

「もうとっくに出掛けたよ」

手を引いて、リビングへと向かいながら返す。

「繭も?」

「うん。お父さんたちについて行った」


彼をリビングのソファーに座らせて、キッチンに向かった。

もちろんコーヒーをいれるため。