あたしも驚いたんだけど、隣にいる万里さんもカチンコチンに固まってる。


「あ、杏ちゃん?お客様と知り合いなの!?」


知り合いっていうか……ねぇ?

問い掛けられて、答えに一瞬詰まった。

ひとまず、持って来た料理をテーブルに並べる。

だけど、次の瞬間───。

──グイッ

「ひゃあッ!?」

──ポスッ!

後ろから抱き寄せられて、バランスを崩し……ヤツの腕の中に収まった。

なんで、わかったのかというと、さっき大学内で隣にいた香りだから。


「杏がお世話になっています」

陸は、さらにあたしを抱きしめると、ニコッと笑って万里さんに挨拶する。

「はわわゎ……そ、そんなことないです!」

一応超イケメンの陸に微笑みかけられて、真っ赤になる彼女。

年下のヤツに、敬語使う時点で、相当テンパってるな。

「あ、杏ちゃん!か、彼氏って……こ、この人なの!?」


少し落ち着いた頃……ハッとしたように、抱きしめているヤツとの関係を聞かれた。