地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

「どこ?」って聞かれたから、お店の名前を言った。

「……酒だけは飲むなよ」

「うん」


繭ちゃんいるんだから、飲まないし。

ましてや、未成年だから飲めないよね。


それから、ちょこっとだけ陸と話をして、電話を切る。

なんでお店の名前を聞いたんだろう?

その小さな疑問はあったけど、特に気にしないことにした。


部屋に戻ると、零ちゃんがニヤニヤした表情で出迎える。


「ダーリンからだったの?」

「……ダーリンはやめて。アイツに合わないし」


陸にダーリンと言う日は、一生ないと思う。

第一……そんなこと言うキャラじゃないしね。


苦笑して席に着くと、繭ちゃんが抱き着いて来た。


「あーちゃん……」


腕時計を見ると、そろそろ繭ちゃんがいつも寝る時間。

お腹もいっぱいになったみたいで、眠たくなったらしい。