華やかな場所が苦手なあたしは、こういうところには一生縁もないし。



「あーちゃんは、ゆーちゃんと一緒にお仕事しないの?」

「え?」


家事が一息ついたため、繭ちゃんとふたりでお茶を飲んでいたら、突然問い掛けられた。


「うん、しないよ。あたしには柚莉みたいに華やかな世界はムリなんだ」


ニコッと笑って、彼女の頭を撫でる。


高校の時に、バイトで経験してそう思ったんだ。

あたしには、妖怪退治の方が性に合ってるって。


「あーちゃんだって、カワイイのになぁ……」

「ありがと。そんなこと言ってくれるのは、繭ちゃんくらいだよ」


口を尖らせてる繭ちゃんがカワイくて、もう一度微笑みかける。




その時────……。


♪〜〜♪〜〜♪〜〜


「あれ?」



あたしの携帯に、登録していない人から着信が入った。