体が、ビクッと震える。


その瞬間────。


──バチッ!


──ガンッ!


──ボキッ……!


電気が走ったような音と、何かが折れたような音がした。


「えっ?」

「────っっ……!」


何が起きたのか、全然理解できなかった。

痛みをこらえるようなうめき声が、すぐ隣から聞こえて、顔を向ける。


「へ……?」

「った…………!」


うめき声を上げていたのは、橘くん。

あたしに触れていた手を、もう片方の手で支えてた。


「た、橘くん? どうしたの?」


何が起きたの? さっきの音って何?


「わ、わかんない。急に電気が手に走ったみたいで……」


電気?

首を傾げて、ふと自分の右手を見る。


…………っ!!

うそっ!


あたしの顔から、血の気が引いていくような気がした。