地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

講義開始直前に、教室に入って来た陸。

女の子達に囲まれてて、よくは見えないけど。

なんか……顔色悪くない?

ちょっと青ざめたような感じに見えるし……。

う〜ん……お弁当に変なモノは、入れてなかったんだけどな。

具合悪い?


教科書をパラパラとめくりながら、陸を見ていたら──……。


「杏樹ちゃんって、髪の毛キレイだよね」


──サラッ……


──ビクッ!


隣に座っていた橘くんが、あたしの下ろしていた髪の毛を一束持って指で梳いた。


陸以外に、あまりされたことがなかったから……体が反応する。


さっきまで、撫でてもらってたから余計にびっくりした。


「柔らかい髪だね、手入れしてるんでしょ?」


一度だけじゃなく……講義中なのに、何度も梳かれる。