なぜわかるかって?

そりゃ……ヤツの性格は、これまでで熟知してますからね。

それに……アイツの目線……バレてないとでも思ってるのかしら。


しっかりと、腕に巻き付いてる彼女の谷間に向けられている。

あの変態閻魔大王めっ!


1週間は、禁欲生活してもらおうかな。

アイツにはこれが、1番効くしね。

……絶対にエッチしてあげない。



「フンッ。バカ殿様が」

ひとりで愚痴をこぼした。


「あーちゃん、今日の約束忘れてないよね?」


あたしの服を繭ちゃんが引っ張る。

視線を陸から外して、隣にいる彼女を見た。


「もちろん、忘れてないよ」


ニコッと微笑む。


繭ちゃんが言う約束というのは、『ケーキバイキングに行くこと』


前、あたしの誕生日の時に、初めてケーキを食べさせたの。