楢橋君の焦ったような声に顔を上げた。 「陸ちゃん!?」 見れば陸ちゃんは胸を押さえて前屈みになっていた。 「藤堂の奴…どうしたんだ?」 紅ちゃんが言う。 そしたら楢橋君が陸ちゃんを連れて体育館から出て行った。 「雪、見に行ってこいよ。米沢には言っとくからさ。」 「ぅ、うん……」 女子達が騒ぎながらも、 私は陸ちゃんの後を追った。