「女神は人を引き寄せる魅力がそなわってるんじゃ。それが美しさじゃ」


「はぁ…」


ロキは思った
―確かに…あの美しさは尋常じゃない


「美しさに惹かれ、身を滅ぼしかねない。消して手には入らないそんざいだからじゃ」


消して手には入らない
ロキがガロに手渡された古い本を見ながら聞いていた


「神と…人は消して結ばれないか…」


「残酷じゃが…しかたないことじゃ」


人は人
神は神


同じようでまったく違う


「もし…陛下が恋をしていたらどうしたら…」


―逆らえはしない…陛下には


「ロキ…汚いしゅだんだが…その時は…」



ガロはロキの耳元で
ささやいた


「…!!わかりました…」



先の未来など誰もわからなかった