マリアはカツカツとヒールを鳴らしてバルコニーを出ていった


取り残されたユイはただ…
ただ…苦しかった


「やだ…私…泣いてる?」

自然と流れていく涙に抵抗もなく、頬を涙で濡らした

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「マリア様!」


「カナ!やったわ!

部屋に戻るわよ!薬今日はいらないわ、

フフッ…」


勝利を確信したかのように笑うマリア


「マリア様…?」


不思議に思いながらもカナは後を追った