「ロキよこれを陛下の身近におくのじゃ。」


「これは…」


「記憶と感情の砂時計」



ガロがロキに渡したのは透明なガラスにサラサラ流れる銀色の砂の砂時計


「ほんとにやるのですか?陛下なら…女神でも…」


「いかん!!神は神。人は人なのだ!境界線を越えてはならぬ…」


ロキは渡された砂時計を見つめ悲しげな顔をした


「銀色の方を上にするのだ。砂が流れ始めたら陛下の感情が逆になっていく」


「逆に?」


「好意があるなら…嫌いとまではいかぬが、好意がなくなる」



ロキは砂時計を眺めてガロの言葉を頭のなかでリピートしていた



「砂時計は陛下の寝室へ置きなさい…そして砂時計を見えなくするのじゃよ…」



ロキは心が叫ぶかのように苦痛だった

―信頼している陛下に…こんな酷いことを私は…