「じゃぁ聞くけど、碧」


「なによ?」


「あんた、S王子にキスされて、どうした?」


「どうしたって……」


私は、あの時のことを思い出す。


「突然のことで、どうにもできなかった」


壁に押さえつけられて、キスされて……。


それで、『俺の女な』なんて言われて、私は完全に頭の中の思考回路は停止していた。