いぢわる王子様

「あの、この前突き飛ばしてしまってすみませんでした」


咄嗟に、私は謝っていた。


電話越しだというのに、頭まで下げて。


『あぁ……。ビックリしたよ』


「……ごめんなさい」


『いいよ。あれで碧ちゃんの気持ちは十分に理解できたから』


いつも優しい誠先輩が、突き放すようにそう言った。


ズキン。


一瞬、胸が痛む。


けど、いいんだ。


これで、いいんだ。