いぢわる王子様

「なに?」


必死に平静を装い、聞き返す。


「あいつとの関係は、どうなってる?」


どうなってるって、言われても……。


きっと、誠先輩とももう付き合えない。


ちゃんと『別れる』と口に出して言ったワケではないが、先輩だって、もう気づいてることだと思う。


「付き合ってるのか?」


すぐるの言葉に、私は命一杯首を振った。


「ちゃんと、別れるとはまだ言ってない……。けど、もう……」


「なら、今すぐに電話しろ」


「え?」


私の携帯電話に、誠先輩の番号を表示するすぐる。