鼻声でそう呟き、顔を上げる。


けれど、泣いたばかりの不細工な顔で人前に出るなんてできない。


私は少し迷ったが、また布団にもぐりこんだ。


相手には悪いと思うけど、留守のフリをしよう。


そう思い、目を閉じる。


けれど、チャイムの音は止まらなかった。


ピンポーン、ピンポーンと、続けざまに何度も鳴る。


私は頭から布団をかぶり、キュッと耳をふさぐ。


聞こえないフリ。


聞こえないフリ。