「うん。さっきので気づいた」


私がそう言うと、律は空を見上げたまま軽く照れ笑いをして見せた。


可愛い。


素直にそう思える笑顔。


恋してる女の子の、笑顔だ。


「たぶん、当分は片想いだろうけどね」


「……」


私は、返事に詰まる。


そうしていると、律がプッとふきだした。


「別に碧を攻めてるわけじゃないよ?」


「うん。わかってる」