いぢわる王子様

「大丈夫? 具合でも悪い?」


「あ、いえ」


どうやら、私がずっと座り込んで動かないものだから、勘違いされているらしい。


慌てて立ち上がると、律と笑みを作りあってみせた。


「そ? 俺、これから着替えるんだけど」


この更衣室は、男子と女子が兼用で使っている。


男子は外、女子は室内でというように別々の体育を受けるときだけ、使う。


「あ、すみません。すぐに出ます」


律がそう言い、着替えの荷物を両手に抱える。


「君たち、着替えは?」


「あ、いいんです」


というか、これじゃ着れないしね。


一つお辞儀をして、私たちはそそくさと更衣室を出たのだった……。