「ほらここ」


律が指差した場所を見ると、確かに黒いマジックでそう書かれているのがわかった。


スカートに、大きくだ。


紺色なので気づきにくいが、確かに、ハッキリと書いてある。


「この前のゴミ箱にもこの名前書いてあったよ」


「え? うそ!?」


「本当。ゴミ箱の裏側にさ。碧気づかなかったの?」


その言葉に、私はうなづく。


長浜弥生……。


聞いたこともない名前に、眉をよせる。