「―――ゆずちゃんは言いたくないみたいだって、聞いてる。だから俺も聞かないつもりだったけど―――。でも、今回みたいにキャバ嬢たちに嫌がらせ受けたり、これから嫌な客に絡まれることだってあるかもしれない。そういうの我慢してまで、あの店にこだわる理由って何なのか・・・・・知りたいなって」


要の言葉に、ゆずは戸惑ったように首を傾げた。


「そんなこと聞いて、どうするんですか?そんな理由、知ってたからって―――」


「うん、はっきり言って俺には関係ないんだけど。でも―――知りたいんだ。なんでだか自分でもわからないけど―――ゆずちゃんのことを、ちゃんと知りたい。俺に関係ないことだとしても・・・・・もちろん、他の人には言わないって約束するよ。絶対に」


そう言って、ゆずをじっと見つめる要。


そんな要を、ゆずも探るように見つめていたけれど・・・・・


「―――わかりました。じゃあ、要さんだけに、お話します」


そう言って、ゆずは1つ息をつき、話し始めたのだった・・・・・。