「オーディションを、受けることになったんだ」


「オーディション?」


「うん。半年後に始める連続ドラマなんだけど、ちょっと前から話は聞いてて・・・・・面白そうなドラマで興味はあったんだけど、やったことない仕事だったから、ちょっと躊躇してた。でも―――昨日ゆずちゃんと話してて、やってみようかと思ったんだ」


「すごい!どんな役なんですか?」


「大きな役ではないけど、重要な役だよ。ドラマが進んでいく上で、鍵を握る人物―――って言ったらいいのかな」


「へえ。どんなドラマなんだろ。すごい楽しみ!」


にこにこと、まるで自分のことのように喜ぶゆず。


なんだかくすぐったい気分だった。


「まだ決まったわけじゃないよ」