翌日は、要は朝からポスター撮影のため、まだタケが眠っている時間にタケのマンションを出ていた。


「はい、O.Kでーす!なんか今日調子いいね、要。何かいいことあった?」


顔なじみのカメラマンにそう言われ、要はちらりとそちらを見た。


「や、別に―――いつもと変わんないよ」


「ふーん?なんか楽しそうだけどなあ」


にやにやと、何か見透かしたようなカメラマンの視線から逃れるように、要はその場を後にしようとしたけれど。


「あ、要待って。こないだの話、考えてくれた?」


そう言って追いかけてきたのは、マネージャーの涌井だ。